2019年7月に厚生労働省が発表した簡易生命表では、2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳で世界2位、男性は81.25歳で世界3位です。高齢化が進むと介護が必要な人口も増えます。階段の昇り降りができなくなり、介護施設に入所を申し込んでも、空きがないために長期間待機させられることはあります。待機期間がはっきりしているのであれば、車椅子用の階段昇降機を購入するのではなく、レンタルするという選択肢もあります。ほかにも、足を骨折する重傷を負ったが1年程度で全快する見込みだとか、家族に歩行困難者がいるけれどもホームエレベーター付きの家が1年後に完成するといったケースもあります。こういう場合に階段昇降機を購入しても、1年後には無駄な設備になってしまいます。撤去するにも費用がかかりますから、レンタルの方が合理的なこともあります。
レンタルなら費用節減が可能
車椅子用の階段昇降機をレンタルする最大のメリットは費用です。レールの取り付け工事費などの初期費用を支払えばあとは月々のレンタル料だけです。もし高いと感じる場合は、複数のレンタル会社の価格を比較してみることも大切です。不要になったら返却できる点も便利なところです。レンタルの場合は初期費用に撤去費が含まれていることもあります。ただ契約内容の確認は必要です。たいていの場合、レンタルは契約期間が定められています。早期解約すると違約金が発生することもあります。またあまり長くレンタルすると購入するより高くなるケースもあるので注意が必要です。またメンテナンスサポートが有償か無償かの確認も怠らないように注意が必要です。住んでいる地域によってはレンタルの対象外になっている場合もあります。こうした点をしっかりチェックすれば、レンタルは合理的な選択になることもあります。
屋内型と屋外型では異なるレンタル費用
階段昇降機のレンタルは、あらゆる機種が利用できるわけではないことを念頭に置く必要があります。階段の形状も考慮に入れることが求められます。車椅子ごと乗り込むタイプは原則として直線型になるからです。自宅の階段がL字型に曲がっている場合は車椅子用の階段昇降機は設置できないので注意が必要です。昇降機自体のレンタル費用は、製品によって異なりますし、業者によっても差がありますので、できるだけ情報を集めたり、業者にヒアリングをおこなうことが大切です。屋内に取り付けるタイプよりも、屋外に取り付けるタイプの方が、初期費用は高くなるのが普通です。屋外の場合は、雨にさらされたり、風に運ばれるごみや異物が付着しても問題なく作動する堅牢さが求められます。またレールも、さびや劣化を防ぐために特殊な素材を使ったり、外専用の塗装をほどこすなど、安全性と耐久性をより高めるために、製造費が高くなるためです。